10月27日(日)、八王子の裏高尾「みどり幼児園(※)」のバザーに行ってきました。
(※)幼児園:東京都から「幼稚園類似施設」の条件を満たしていると認められた保育施設のこと
園長先生からバザーのお誘いをいただきました
10月21日。以前、取材に伺った八王子市のみどり幼児園 羽田園長先生からメールが届きました。
「10月27日(日)午前11時より 園庭にて毎年恒例のバザーを開きます。ぜひ、遊びに来てください」
行こう!きっとお母さん、お父さんたち、はりきるだろうなぁ~
前回伺ったのは田植えの時。大人が大勢いました。お母さん、お父さんたち。福島の農家さん親子。地元の応援の方。大人たちはみんなこどもたちと同じくらい楽しそうだった、のを思い出しました。
バザーの写真をごらんください!
賑やかな園庭
- バザー品には掘り出しものがたくさん
- 古着(2枚100円の子供服も)(私も孫用にたくさん買わせていただきました)
- 手作り品(お母さんが作ったもの)(先生たちの染物)
- おいしいメニューあれこれ
黒麹ドリンク(保護者 麹のプロ)
地元の豚肉たっぷり塩麹味焼きそば(お父さんたち)
豚汁・おにぎり(NPO法人 発達支援の会ー未来さん)
焼き芋(保護者 焼き芋のプロ) - 地元のお野菜・お花
遊びのコーナー(園庭・お部屋)
でも・・、門の近くにこんなお手紙がありました
実は、このお手紙こそ、今回のレポートで皆さんに知っていただきたい大切なこと。
みどり幼児園のこれから
いつもみどり幼児園を応援してくださりありがとうございます。皆さまに残念なお知らせをしなければなりません。今現在の状況では、みどり幼児園は2027年度の3月31日(2028年3月31日)をもって閉園となります。
一番の原因は、園児数が園の運営を続けていかれる人数に達していないことです。少子化により子どもが減っていることや、保育時間が短く共働きでは預けられないこと、親の負担が多いことなどが選ばれない理由でしょうか。
しかし、みどり幼児園には、4月の入園児だけでなく、年度途中で転園してくる子どもがいます。他の園で楽しく過ごせなかった子どもが元気に通います。大規模な園では、門の中にさえ入ろうとしなかったなかった子どももみどり幼児園には笑顔で通ってきます。加配が必要、という理由で入園を断られた子どもも、みどり幼児園ではみんなと一緒に過ごしています。みどり幼児園がなくなったら、そういった子どもたちはどこへ行くのでしょうか。
みどり幼児園の保護者の方には、自分の子どもには少人数の園で過ごさせたい、小さいうちはのんびり育てたい、という方がたくさんいらっしゃいます。
子育てにはいろいろな選択肢があった方がよいのではないでしょうか。
子どもたちが最初に出ていく社会が、明るく楽しいものであってほしい。どの子ものびのびと過ごせる園があってほしい。
みどり幼児園の子どもたちの姿を見たら、大人は子育ての楽しさを感じられるかもしれません。いろいろな園が選べること、いろいろな園を社会が用意しておくことが少子化対策につながるかもしれません。
あと3年で閉園ということが現実にならないように、職員、NPO法人 発達支援の会-未来、それから在園の保護者の皆さま、卒園保護者の皆さま、その他おおぜいの園に力を貸して下さる皆さまで、どうにかできないかと思案中です。
いろいろな方々に知っていただきお知恵を拝借したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
2024年10月
みどり幼児園 園長 羽田真紀
※園長先生の許可のもと当日掲示の文章に加筆修正されています。
バザーの帰り道に思ったこと
みどり幼児園が閉園になっていいのだろうか。
これからは、朝7時からから夜の7時くらいまで、長時間保育を提供できない園は存続できないのだろうか。
それでよいのだろか。
これからは、女性も男性も、こどもがいてもいなくても働き続けられる社会になるといいと思う。
でも、みどり幼児園が閉園する日本でよいのだろうか。
みどり幼児園に通う保護者の皆さんは、小さいこどもがいる生活の豊かさ、ホンモノの豊かさを知っているのに?
羽田園長先生の言葉が胸に響きます
「みどり幼児園には、小さいうちはのんびり育てたい、という保護者が通ってきます。子育てにはいろいろな選択肢があった方がよいのではないでしょうか。」
「みどり幼児園の子どもたちの姿を見たら、大人は子育ての楽しさを感じられるかもしれません。いろいろな園が選べること、いろいろな園を社会が用意しておくことが少子化対策につながるかもしれません。」
幼稚園類似施設だから補助金はない
少子化対策への大きなヒントを羽田園長先生はズバリ指摘されたように思います。こんなことも思いました。
0~2歳が通う保育所に小学校入学まで過ごすこどもがいますね。他の園に代わると保護者が負担が大きくなる場合は、そのまま2歳までの園で過ごせる、とのこと。
その園で5歳のこどもは「遊びを通して学ぶ」が、保障されるでしょうか。
園庭のない保育所もありますね。赤ちゃんは車の通る道路をお散歩しますね。
大きい子たちは?近くの公園が園庭の代わりになるならば、園庭がなくても良い、ということになっていますね。
でも、その公園でこどもたちは他の利用者さんに迷惑をかけずに鬼ごっこができますか?ボールは使えますか?
みどり幼児園は土の園庭がありますよ。鬼ごっこなんて毎日できるし、木登りのできる木もあります。裏庭には田んぼまであります。裏高尾の自然に囲まれた園庭には、みどりの風が吹きます。
でも「幼稚園類似施設」であって幼稚園でも保育所でもないために、補助金(助成金)は交付されないのです。
都内の私立学校の収入のうち、38.6%が各種補助金とのこと(令和4年度決算東京都私立行政課学校会計指導担当作成資料による)。
みどり幼児園でも保護者への無償化は実現されていますが、補助金なしでの経営は厳しいにきまっています。
自力で運営できないみどり幼児園は閉園するしかないのでしょうか?
私もあなたも。みんなこどもだった大人です。
- こどもの頃、どんな過ごし方をしましたか?
- 今、あなたがこどもだったらどんな過ごし方をしたいですか?
みんなで考えられたらいいな、って思います。
~こどものこと。こどもがいる社会のことを~
基本情報
園名
東京都認定 みどり幼児園
住所
〒193-0841
東京都八王子市裏高尾町674