2025年3月8日。世田谷区粕谷にある「ベネッセ 学童クラブ芦花公園」(※)を訪問しました。
2024年11月のBFCレポートにもあるように、
世田谷区における学童クラブ(正式には放課後児童クラブ)は各小学校に設置された公設学童クラブ「新BOP」が中心ですが、現在は区の補助を受けて民間業者が運営する新たな学童クラブもあります。 これは区の補助を受けずに民間業者が運営する放課後の預かりサービスとは異なります。
民設民営の学童クラブってどんなところなんだろう?

そこで、今回は、世田谷区の規定する施設・人員等基準に沿って区の補助を受けて運営されている、民設民営学童クラブ(都型)の1つ「ベネッセ 学童クラブ芦花公園」を取材させていただきました。
「ベネッセ 学童クラブ芦花公園」で大切にしていることは?
施設長Aさん,(株)ベネッセスタイルケア学童事業部 Bさん・Cさんがお話をしてくださいました。
(子どもにとって)「第2のおうち」 でありたい
「おうち」とは?
- 子どもが学校から帰ってくるところ
「おかえり」と言って迎えたい - 安心して過ごせるところ
子どもが主体でいられるように、ゴロゴロしたいときはゴロゴロできる場所もある。
どんな自分でも受けれられるまるごと認められるその子の居場所。クラブのメンバーであり主体的に、自分で来たいと思って来てほしい。
自分の場所として好きにすごせる居場所。 - 子どもが考える、主体となる
「学習タイム」がある(主に宿題に取り組む時間)。
いろいろな体験ができるイベントがある (英語・理科・実験など)
チャレンジの先生の学習プログラムに参加できる。でも、原則として別途料金はとらずに参加するのも参加しないのも子どもが選べる!
別途料金がかからないのはナゼ?
保護者の負担を増やさずに、どの子も体験できるように。
費用が新たに発生しないことで子どもの主体性、やりたい気持ちを育てることができる。
「いろいろな体験をしてほしい」と考え企画している。
もちろん誘いはするが、参加しなければいけない、というものにはしていない。
納得して過ごす
~ルールは子どもに納得のいくものに~
「室内で走りまわる子がいたら?」
「ルールだから守りなさい」と押し付けるのではなく、必要性を説く。なぜ、走っちゃいけないのか、子ども自身が納得して守れるように時には、子どもたちと話し合うこともある。
学童クラブでのルールや過ごし方が子どもたちにとって「納得のいくもの」であることを目指している。
保護者を支え、学校と保護者を繋ぐ学童でありたい
学童は、放課後の子どもの姿を知っている。学校から帰ってきたときの子どもの姿を知っている。
保護者の方々は、小学生になると、子どもの姿が見えなくなること(実際に見えないこともあるけれど、学校の先生と話すこともほとんどないし・・・)に不安を感じる人もいる。
また、学童クラブの職員が、子どもの姿でちょっと気になる、心配と思うこともある。
ベネッセの学童クラブは、学校の先生にお話を伺うこともしている。「芦花公園」の地域では、小学校がそれを受け入れてくれていて大変ありがたい。学校と保護者と両方のお話を伺い、子どもにとって大人同士がつながること、を学童クラブがお手伝いしたい。
「ベネッセ 学童クラブ芦花公園」の様子
当日は、マジックショーが開かれていました。
これは、東京都認証学童クラブ先行実施事業として東京都から補助がでているイベントです。これから小学生になって学童に通うことになる年長さんに、学童クラブになじんだり、入学後の学童の生活を安定させたりすることができるよう、というプログラムの1つです。
実際に私も一緒に見学させていただきました。


見事なパフォーマンスと明るい声掛けで、会場は楽しい雰囲気に包まれました。
このマジシャンの方は、今回のイベントの意義をよくわかってくださっている、とのこと。
新学年おめでとう!」というメッセージをさりげなく伝えてくださっていました。
参加されたお子さん、保護者の方の中には、そのあと、少し学童施設内を見てみたり、職員にお話を伺ったりしている姿もありました。きっと親子ともども4月からの学童クラブへの入所を安心して迎えられることでしょう!
いろいろなところに細やかな配慮がありました
- たくさんの本がありました
- 子どもたちの遊び(作ったもの)が大事にされていました
小さな低いソファがありました。やさしいグリーン色のソファでした。ここで本を読む子がいるかな? - ゴロゴロしたくなる子もいるかな?
- 水回りはとても衛生的で、使いやすそうでした

訪問を終えて
保護者にとっても育ちの場になる
小さかった赤ちゃんだった我が子。腕の中でそっと抱いていた我が子は、どんどん大きくなっていきます。
小学生になると、徐々に親離れしていく。親離れしたい子ども。でも、本当の親離れはずっと先です。こんな時期は、親も「子離れ」ではない、「手離れ」をしていかないといけないのですね。
Bさんの仰っていた「手離れ」という言葉を聞いて、ホント!そうだ!と思いました。
「手を掛ける」は減らしていく。でも!「心」はまだまだ掛けていく。「心」の掛け方って難しいですね!
親も学童に子どもを通わせながら、「手離れ」のコツや「心」を掛けるヒントを教えてもらえるかもしれませんね!
「自分の子どもを預けたいと思えるような学童保育にしたい」
スタッフのBさんの言葉が胸に響きました。
こんな学童クラブに子どもが通えたら、保護者の方はお仕事などご家庭の事情に安心して取り組めることでしょう。
子どもの数を増やしていくことは、国の財源、労働力という観点からは大切です。けれども子どもは国のために生まれてくるわけではなく、子どもがいる生活を望まない大人もいるでしょう。本質は、子どもを産み育てたいと思っている大人が、それが可能となる環境にあるか、選択できる社会かどうか、という点です。「社会全体の問題」ですね。
では、私たち、今、子どもに接している大人たちにできることは何でしょうか?
今まで以上に!自分の生活も大切にして、保育の仕事に誇りをもって、楽しみながら生まれてきた子ども一人ひとりが大切にされ、伸びやかに自分を発揮して育っていけるよう支えていくことだと思います。
今までもそうしてきたように。
「ベネッセ 学童クラブ芦花公園」
こんな学童クラブが増えていくといいな、心からそう思いました。
職員の皆さんのご活躍!心から応援しています!
基本情報
施設名
ベネッセ 学童クラブ芦花公園
住所
〒157-0063 東京都世田谷区粕谷2-3-7