
最寄り駅は東京メトロ有楽町線と都営大江戸線が乗り入れる月島駅。東京駅も近い好アクセスです。「月島」という名前の由来は、海に新たに築かれた島「築島」からとも、月見の名所「月の岬」からとも。
「もんじゃ焼き」で知られる昭和の香りがするこの町ですが、今、2020オリンピック・パラリンピック選手村「晴海フラッグ」を皮切りに、タワマンラッシュ‼
今回は開園71周年を迎えられ、研究発表も重ねてこられた「中央区立月島第一幼稚園」のレポートです。

月島第一幼稚園の「教育目標」
大好き幼稚園
自分が大好き
友達が大好き
遊びが大好き
各年齢の発達の特性をふまえ、一人一人の興味や関心に応じながら、幼児が主体的に園生活を進めていくことができるように援助し、心情、意欲、態度を育てる。
3歳児
- 教師との信頼関係を基盤にして、一人一人が安心して自分を表し、教師や友達と一緒に遊んだり、生活したりする喜びを味わえるようにする。
- 身の回りの始末を自分でできるようにする。
4歳児
- 一人一人が力を発揮し、互いに思いを出し合いながら、友達と一緒に遊ぶ楽しさを十分に味わえるようにする。
- 基本的な生活習慣を身に付け、園生活に必要なことに自ら取り組めるようにする。
5歳児
- 自分なりの目的を持ち、試したり工夫したりする意欲と態度を育て、やり遂げる喜びや充実感を味わえるようにする。
- 友達と協同して遊びや生活をする中で、共感したり葛藤を乗り越えたりする体験を積み重ね、互いのよさを認め合う関係を育てる。
月島第一幼稚園の子どもたち
今日は「うきうきミュージックデー」
月島第一幼稚園には1年に3つの「うきうきシリーズ」があるとのこと。うきうきオリンピック、うきうきステージ、そして、今日の「うきうきミュージックデー♪」
いわゆる音楽会ではなく、"うきうきミュージックデー”と呼ぶことで、子どもたちの「歌うのって楽しいよ、楽器遊びや合奏も楽しいよ」という声が聞こえてきそうです。
嶺村法子園長先生は演奏前に
「お子さんの顔は見えますか?今なら席を動いても大丈夫ですよ」
と保護者に声を掛けられたり、子どもたちにも
「おうちの方に、手を振ってあげてね」
と言ったりしておられました。会場の雰囲気はぐっと和やかに。
子どもたちはとてもリラックスしていて音楽を楽しむ自然な姿を見せてくれました。

そんな柔らかな会でありながらも、園長先生は保護者の方々に
学年による発達や一人ひとりの今、を捉え、先生たちは歌うことや楽器とのかかわり方を通して「子どもたちにこんな経験をしてほしい」というねらいをもって指導していることをわかりやすくお話されていたのが印象的でした。
例えば・・・、
- 3歳児のあどけなくかわいらしい姿には「今しか見られない3歳児ならではの姿ですよ!」と。
- 4歳児では、大きな声で歌う姿に「自信を持った4歳児だからこそ、声を張り上げて歌うんです!」と。
- そして、5歳児が歌詞を味わいながら丁寧に歌い、いくつかの楽器がそれぞれのリズムを刻み、みんなで気持ちを合わせて演奏する姿に、「3歳、4歳の頃を思い出して~」とその成長を保護者が味わえるよう話されていました。
5歳児うみ組がステージから退場するとき、子どもたちは、しっかりと前を向いていました。(ちょっと恥ずかしそうなお子さんももちろんいたけれど)、その誇らしげな表情がステキでした。
子どもたちは幼稚園が大好き!
うきうきミュージックデーが終わった後、子どもたちはそれぞれ園の好きな場所で好きな遊びを始めました。
のんびり過ごす
3歳ひよこ組には2人の女の子。おしゃべりをしながらスライムで遊んでいました。2月でも園庭へのドアを開けていられるほど日差しが入る保育室でした。

園庭でともだちとマットの上でごろごろしている子どもたちもいました。
こちらも3歳さんかな?楽しそう~

先生がホースで水まきしているのを、そばで見ている子どもたちもいました。春近い陽だまり。先生と子どもとのほんわりあったかい雰囲気がレンズ越しにも伝わります。
子どもたちのイメージが活かされ、子どもたちは夢中で遊んでいるのだろうぁ、と想像できるグッズやコーナーがあちこちに。
3歳児の保育室や廊下には”遊び中”(という表現でわかっていただけるでしょうか?)のグッズがあちこちにありました。夢中でごっこ遊びをする子どもたちの姿が想像できました。
先生達が子どもたちのイメージを大切にして、子どもたちと一緒に作っただろう遊びのグッズ。子どもたちはそれらを先生と一緒に(といっても先生の手を借りて)作っていくなかで目をキラキラさせたことでしょう。これを使って遊びたい!という気持ちがワクワクしたことでしょう。
こういったごっこ遊びは、遊びの時間がたっぷりある幼稚園だからこそ充実できるもの。子どもたちにとって、楽しいだけでなく、その子らしさや、将来学びにつながる芽が育まれることでしょう。


細やかな配慮があふれる教材・環境

毛糸のオブジェ。割りばしの間に毛糸を絡めて作ります。色合いは子どもそれぞれ。
丁寧に作ったのが感じられます。
毛糸や台紙の色に冬の季節、をイメージできるものを用意されたところに先生方のセンス、配慮を感じました。

廊下との境の窓には淡いピンクのカーテン。主張しすぎない小鳥の窓飾りデザイン。何もなければ殺風景だけれども派手なキャラクターだとそれもちょっと・・・。
子どもたちの心に優しく、細やかさを育む配慮だと思いました。
保護者の方々の力強い応援!
うきうきミュージックデーが終わったばかりの遊戯室。子どもたちが保育室に戻ると、何人もの保護者の方々が会場に残ったパイプ椅子の片づけを手伝ってくださいました。
中には赤ちゃんを抱っこされたお母様もいらっしゃいました。台に乗り、パイプ椅子をよいしょ、と持ち上げてくださるお父様もいらっしゃいました。ささっと動いてささっと帰られていく保護者の方々。カッコいい!
月島第一幼稚園は保護者の方々に応援されているんだなぁ~、と感じました。
訪問を終えて
高層マンションが立ち並ぶ数年後。そのマンション群から通う園児も多くなることでしょう。町にも園にも新しい風が流れることでしょう。
でも、月島第一幼稚園の先生方は、これからもずっ~と子どもたちと一緒に笑い、遊ぶことを楽しまれるのだろうと感じました。しかし、それは、先生方の地道なご努力や研鑽があってのことであり、遊びは学び、幼稚園は教育の場である、という確かな意図と誇りによって、支えられているのだと思います。
今日の見学。大変勉強になりました。さすが、月島第一幼稚園!ありがとうございました。
基本情報
園名
東京都中央区立月島第一幼稚園
住所
〒104-0052 東京都中央区月島4ー15ー1